生きるを信じる
君の屈託のない笑いに
つられて笑わされるわたし
君が見せる寂しげな表情に
つい顔を覗きこんでしまうわたし
君のたどたどしい言葉もどきを
謎解きのように楽しむわたし
裏切られ 心折れたときもある
悔しさで 堪えきれないときもある
どうしてよいのか 地団駄踏んだときもある
どうしようもなく 途方に暮れたときもある
でもそばに 君がいた
君と生きて知ったこと
悲しみも苦しみも みんな呑み込んで
君を抱きしめたとき
この子は 生きるを求めていることを
この子は 生きるを信じていることを
抱きしめた両手に 君はすっぽり包まれた
あどけない顔が 嬉しそうに笑った
マンマと 乳臭い匂いを顔に吹きかけた
このぬくもりは 二人だけのものだった
どこまでも 君と生きる
君といるから 負けない
君がいるから 明日を見る
〔2021年4月20日書き下ろし。2026年3月京都府南丹市で男子児童安達結希さんが養父に殺害された痛ましい事件が起こった。「君と生きる」ことを信じていただろうに。ご冥福を心から祈りたい〕