道すがら

道すがら立ち止まる

好奇心を呼び覚ます

何気ない景色も惹きつけられる

寄り道という何気なさがいい

 

道すがら目にとまる

野草が控えめに地味に咲く

取り残したような悔恨か

涸れゆく先にある身を重ねる

 

道すがらふと思いつく

日常の騒々しさからの離脱か

たわいないこだわりが思索を求める

遠慮がちに言葉が動き始める

浮かんでは消える泡沫(うたかた)に被る

 

道すがら空を見上げる

眩しさに眼を細める

風を切るように野鳥が横切る

翼の折れた虚ろな時を刻む

 

道すがら外れて土の感触を味わう

柔らかな腐植土は足裏を包む

歩くのに疲れた身体を労るようだ

湿った土の匂いが鼻腔を抜ける

 

道すがら人と出会う

軽く会釈をする

見知った顔ではない

ただ道を譲っただけのことだった

 

道すがら人はなぜか感覚を研ぎ澄ます

構えること泣く素直に事象を受け入れる

時に出会いの妙を愉しむ

日常の中の寄り道にふと安らぎを覚える

 

2026523日書き下ろし。道すがらどんな物語がうまれたのか〕

 

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