一斉音読
国語の授業 指定した文章を一斉に読み始める おもいおもいに声を出して読む 黙読では起きない言葉が響く 無意識に感情が入り込む たどたどしい読みであってもいい 声の抑揚や強弱も君がつくる 言葉から生まれるリズムも君なのだ 競う合うこともない自由な君がいる 朗読の独特な表現に君がいる 声に出して読むと楽しい 言葉が躍るように心に響く 意味がわからなくても面白い 言葉が友だちになれると囁く 難しい文章でも構わない 言葉が転がって流れてゆく 教室は子どもらの言葉で埋まる 教室は連なる言葉が乱舞する 教室は書かれた文章が生き返る 読み終えた子どもの笑顔がいい もっと読みたい子どものやる気が嬉しい 何か感じている子の言いたげな顔がまたいい 〔 2024 年 11 月 30 日書き下ろし。小学校の教員のころ、子らの朗読の力を育ててきたと、いまになって得心がいった。詩を朗読することの意味を問い続けるいまがある〕