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護るのは何か

小さなきみを護る 何を護るのかって   きみのいのち 粗末にしてはならない   きみのこころ ここに護るべき何があるのか 疚(やま)しさはどうだろう ためらうかな 憎しみはどうだろう きみには向けられていないだろう 卑しさはどうだろう たしなめるだろうか 妬みや嫉みはどうだろう いたしかたないか 恥知らずはどうだろう 無理だろうね エゴイストだったらどうだろう 誰も相手にはしないね ひがみ根性がこころを歪ませるんだね でもひとりぼっちにはしたくない 道を踏み外してバカすることがあっても そんなきみを護りたいって本心さ   きみに好きだという感情が生まれるといいな 信じることができるようになるよ 思いやりや優しさも照れずに表れるよ 素直になるともっといいね   護りたいのはきっときみの善きこと 護るのはきみの自尊心 護りあうのは互いに生きること   〔 2026 年 5 月 28 日書き下ろし。道に迷う子が自暴自棄になる歯止めは何か〕

影法師

まとわりつくようにいつもいる 一挙手一投足間違えなく動く 光が届く限りあいつはそばにいる   あいつは影法師 ボクの分身 存在の証明   あいつがボクかも知れない ふと操られているボクになる 光の加減であいつはボクを揺らす   あいつは影法師 ボクの化身 隠された偽善   あいつはボクを惑わせる 長くなったり短くなったり 光の当たり具合でボクをからかう   あいつは影法師 ボクの愚身 優柔不断の正体   あいつはボクから離れない 離れたくないのか現れる 光を失うときに別れがある   あいつは影法師 ボクの一身 奇跡の同伴者   〔 2026 年 5 月 27 日書き下ろし。影を失うというのか。消えたというのか〕

誇大妄想

子どもの夢なら醒めないでおくれ チマチマした夢なら捨ててしまい 夢くらい大きく妄想させておくれ セコセコするならそれまでさ   子どもの夢ならデカイ方がいい 叶うかどうかなんてつまんない 夢だからこそ面白がっておくれ もしかして何かが始まるかもね   子どもの夢だからこそ愉快だね ワクワクするからぶっ飛ぶよ ドキドキするから熱くなる 大人の了見なんぞ醜いだけさ   子どもの夢に世の中を見る 何もないところからは何も生まれない 何かを感じる想像力を育てよう 何かを変えたい無意識が夢を象(かたど)る   子どもの夢の世界に遊ぼうよ 忘れていた無邪気さにしばし浸ろう 夢を語る瞳にしばし魅入ろう 大人のさもしい心で汚さぬようにね   〔 2026 年 5 月 26 日書き下ろし。夢は何かを予見するのか〕

サルか

あまりに残酷な惨状に憤る 嫌悪感しかない感情に苛まれる 遠く離れたことなのに なぜか拒めぬ現実に苛立つ 見ざる ただの逃避か   あまりに汚い言葉にかき乱される 品格のない横柄さに唾棄する 出会うこともない存在なのに なぜか抗えない現実に焦燥する 聞かざる ただの幻聴か   あまりに惨い仕打ちに身につまされる 人を食ったげすな表情に憎悪を覚える 批判の声は届かないのに なぜか沈黙する現実に落胆する 言わざる ただの臆病か   サルにも劣るヒトの群れがひしめく   〔 2026 年 5 月 26 日書き下ろし。気色の悪さがまとわりつく〕  

道すがら

道すがら立ち止まる 好奇心を呼び覚ます 何気ない景色も惹きつけられる 寄り道という何気なさがいい   道すがら目にとまる 野草が控えめに地味に咲く 取り残したような悔恨か 涸れゆく先にある身を重ねる   道すがらふと思いつく 日常の騒々しさからの離脱か たわいないこだわりが思索を求める 遠慮がちに言葉が動き始める 浮かんでは消える泡沫(うたかた)に被る   道すがら空を見上げる 眩しさに眼を細める 風を切るように野鳥が横切る 翼の折れた虚ろな時を刻む   道すがら外れて土の感触を味わう 柔らかな腐植土は足裏を包む 歩くのに疲れた身体を労るようだ 湿った土の匂いが鼻腔を抜ける   道すがら人と出会う 軽く会釈をする 見知った顔ではない ただ道を譲っただけのことだった   道すがら人はなぜか感覚を研ぎ澄ます 構えること泣く素直に事象を受け入れる 時に出会いの妙を愉しむ 日常の中の寄り道にふと安らぎを覚える   〔 2026 年 5 月 23 日書き下ろし。道すがらどんな物語がうまれたのか〕  

意固地になる

意固地になる 構うのは面倒だ 相手になれば面倒くさい 折れるまで意地を張る 放っとけばすねる 厄介な人だ   意固地になる 狭い了見が煩わしい 説得は無駄骨になる 意地を通すしか頭にない やり返せば頑なになる 離れたい人だ   意固地になる 我を押し通す 思った事を口に出す 反論すれば火に油を注ぐ 孤立しても懲りない やるせない人だ   意固地になる 意に添わない不満をぶつける 敵愾心を顕わにする 諭せば意に介さない 平常心すら頼れない 扱いにくい人だ   意固地になる 人が変わったようだ 協調性を失った 余計なことだと突っぱねる 思い通りに出来なくなった己に抗う 時に行く道にある人か   〔 2026 年 5 月 24 日書き下ろし。意固地な人とのつながりは難しい〕

罪深きなり

傲慢が衣をなびかせ歩いて行く 何とも言いようのない異臭を放つ ひれ伏すように感化されてゆく恐怖 抗うことさえ削ぎ落とされてゆく脅威 制圧と支配に屈し洗脳されてゆく教唆   増悪が衣からはみ出して揺れる 何とも言いようのない怨恨の顔になる 敵愾心を虚偽で煽り立てる排撃 逆らうことを決して容赦しない狼藉 服従と同意を求め理すら失う隷属   短慮が衣からこぼれてゆく 何とも言いようのない価値観の崩壊を招く 冷笑されようとも屈服しないカリスマ 困難かつ危険な状況を認知できぬ知性 差別と格差が増長されてゆく専制   強欲が衣にまとわりつく 何とも言いようのない快楽と堕落を見せる 儲けに反応して名誉を重んじる歪んだプライド 絶賛と黙従を強要しひたすら酔う自己陶酔 罪深さを告解すれば赦される利便なシステム   七つの大罪 傲慢 ・ 強欲 ・ 嫉妬 ・ 憤怒 ・ 色欲 ・ 暴食 ・ 怠惰 なり この男 傲慢・憎悪・短慮・強欲では済まされず 求めるところに性力がある限り 人間の欲望を際限なく満たすエネルギーとなるのか ただただ性は生なりと驚愕する 罪は生なりしか   〔 2025 年 10 月 7 日書き下ろし。 2026 年 5 月 25 日再掲を余儀なくされる。おぞまし者たちがいまも世界を席巻する〕