毀誉褒貶
褒めたり貶(けな)したり面倒くさい 評判を取るのは世知がしこい 妬まれたら足元をすぐすくわれる 世間は気まぐれだけのこと 褒められてお調子に乗る 醜態を晒してバカを見る 信用半ばで挫折を味わう 世間の変わり身は素早いだけのこと 貶されて奮起する 堪忍袋の緒は切らぬ 失態を取り戻すには根性がいる 世間の風は冷たいだけのこと 褒められて有頂天になった 優越感にどっぷり浸かった 卑下した言葉で一転した 世間は豹変を見逃さないだけのこと 貶されて辱められた 罵声を浴びながらも転機を待った 忍苦し心は折らなかった 世間は正当に見るだけのこと 毀誉褒貶 人は動いた分だけ評価を伴う 人は嫉妬と羞恥の波を被る 人は寛容と情愛の風を纏(まと)う 世間の評判に屈せぬだけのこと 毀誉褒貶 人は裏切れば報いを受ける 人は慢心すれば凋落が始まる 人は求心力を失えば退く 世間はそっぽを向けだけのこと ※毀誉褒貶(きよほうへん)賞賛したり悪口を言ったりすること。ほめたりけなしたりの世評。「毀」「貶」は共に、そしる(=非難する)こと、けなすことを意味する。「誉」「褒」は共に、ほめることを意味する。 相反する漢字を二度使う事でそれぞれの意味を強調する。 ※世知がしこい:世渡りの才があって,抜け目のないさま。 〔 2025 年 5 月 30 日書き下ろし。世間の風当たりの強さに抗弁が滑るのを見る。世の指導者に凋落の気配を感じる〕