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教員不足

先生が足りない 仕事がきつくてなり手がいない   先生が足りない 免許不要だから誰でも来てください   先生が足りない 校外指導も部活指導も一切免除します   先生が足りない 雑務は別の人がきっちり担います   先生が足りない 高額給与で残業はありません   先生が足りない 授業は知ったかぶりでOKです   先生が足りない 子どもとは適当に遊んでやってください   先生が足りない 長期休業は年休消化で遊んで下さい   先生が足りない 保護者の苦情は受け付けません   先生が足りない 教師の人間性など問いません   先生が足りない クラスにいるというだけで十分です     先生になりたい人 さらに希望をお聞きします えっ いまの学校の空気を入れ換えてほしい?!   [2023 年 5 月 14 日書き下ろし。学校や教師へ不信を抱いた子らが、果たして教師になるの でしょうか? ]

能書きを垂れる

新手の政策を打ち出すたびに注目される 能書きを垂れるばかりで中味は空のお粗末さ  それでも評判取るのは摩訶不思議 政治不信は深まる一方で 世間は判断放棄の体たらく 暮らしの痛みの知らぬ者たちに なすがままになされるままに身を任す 社会保障制度は歪になり有り金は剥ぎ取られてゆく 物価高騰は暮らしを追い詰め爪に火をともす 能書き通りには決して進まぬと諦めるしかない   教育も教員の超勤となり手不足で注目される 能書きを垂れるばかりで共感呼ばぬお粗末さ 報道されるたび白ける空気は摩訶不思議 学校と教師への不信は根深くなる一方で 子どもらを囲い込む閉鎖社会は変わらない 超勤の根源は教え込む中味が多すぎるだけのこと 教材研究を楯に雑務の軽減を改善せよと求める 処遇改善で果たして教育改革をなせるか甚だ疑問 能書き通りには決して進まぬと醒めた目で見る   能書きを垂れるばかりで世渡り上手があふれる 実力もなく行動も適当な輩たち さも優れているかのように振る舞う輩たち マスコミは低俗な話題づくりに奔走する 洗脳された者たちは行く当てを失い彷徨(さまよ)う 能書きを垂れる者たちで支配される摩訶不思議な国 ニッポンの漂流   [2023 年 5 月 14 日書き下ろし。空虚な言葉が世界を覆う。学ぶべき教育の場も危うい ]

症例研究の発表

老人介護施設の現場 コロナ禍でクラスターにも見舞われた プライベートも 厳しく自粛した   365 日 24 時間の介護 シフトを組んでも休めない 誰かが濃厚接触者になればサポートに入る   入所者の日々の暮らしの安心と安全 ケアの精神だけでは支えきれないタフな仕事だ 肉体的な疲労や腰痛にも悩み苦しむ   自主的に症例研究グループを作る 現場の課題を共有し仮説検証に挑む 1 年近いスパーンで勤務後調査や討議を重ねる   老健施設での6本の症例発表を参観した 経営に直結する利用者の獲得やサービスのあり方 成果と課題が丁寧にまとめられた価値ある内容だった   若い職員たちがまとめ上げたプレゼンの画面に見入る 現場の実践から導き出された言葉の勢いを感じた 経営の改善や就労へと連動してゆく意欲を垣間見た   今年は5つの福祉施設や事業所から10数本報告される 6月 30 日ようやく法人全体の症例研究発表会を開催する 勤務後会場に多くの職員が集まってくる 発表される研究を組織化された研究委員が選定する役目を担う   2010 年法人内に設置された研修推進機関「友愛学会」 全職員が会員として研究参加するシステムである 施設や事業所から推薦された9名の研究委員 全体発表会ではその審査をも担当する   友愛学会の目的は内規第 2 条に示されている 1  人事育成と研修及び研究における専門性の習熟並びに症例研究の充実に努め、その成果を現場に環流し、職場環境や介護ケアスキルの改善に寄与する 2  施設・事業所間の研修意識や実践研究に格差が生じることのないよう、共通認識と取り組みに十分配慮し、過度の干渉や指導を抑制し阻害することなく、現場の移行を最優先しつつ自主的な研究活動を保障することで研究体制の充実に寄与する 3  個々の研究意欲を喚起し、グループ研究を推奨しつつ個々の専門職としての資質の向上に寄与する   また第 3 条に推進目標を掲げる 1  学会は、人材の育成と定着を目的とした、研究・研修による個々や集団における専門性の習熟、並びに症例の...

違和感

なぜこう分析できるのか データを示される 果たしてそう言い切れる根拠なのか   なぜこう判断したのか 理由を聞かされる 果たしてそうする妥当な根拠なのか   なぜこう評価したのか 観点を明示される 果たして客観的に耐えられる根拠なのか   なぜこう推進したのか 計画を楯にされる 果たして実状に叶った根拠なのか   なぜこう批判したのか 論点がかみあわない 果たして納得に足る根拠だったのか   生ずる違和感 割り切れない葛藤 スッキリしない便秘 説明できない苛立ち まとわりつく鬱陶しさ   [2023 年 5 月 12 日書き下ろし。世の中は違和感に包まれてどこかで妥協するしかない ]

物書き

手当たり次第何でも書く 市井(ちまた)に暮らすただの人   生活するいまを何でも書く 気がかりなことに関心が向くただの人   世の中の困りごとを何でも書く 見知ったことをほっとけないただの人   感じたままを何でも書く こころのおもむくままに書きたいただの人   批判めいたことも臆せず書く 共感を求めることもないただの人   狭い了見を承知で書く 見識も言葉も薄っぺらなただの人   生きてる喜びを書く 出会いと別れに恩情を知るただの人   世の中と人から逃れられず書く どんな時代なのかを残したいただの人   伝えたいことを書ければいい 自己満足の世界にひたるただの人   [2023 年 5 月 11 日書き下ろし。ただの人は書くことを愉しむ ]  

入力拒否

インターネットを利用する セキュリティーが強化される 登録したパスワードの他に本人確認の手続きがある 何度トライしてもはねつけられる 戸惑う しまいにはパスワードの変更を余儀なくされる 手持ちのパソコン・iPad・携帯まで影響する さらに忘れぬよう手帳に書き付ける なんといいう手間のかかることか   それでも解決されない事態が起きた 札幌に 1 行しかない銀行に出向くしかない 1 時間かけて手続きを終えて帰宅した さっそく取りかかる 今度はパスワードの他に電話番号の入力画面が表示された 携帯とばかり入力するがはねられる 大阪で仕事しいていたときに作った通帳 まさか札幌の自宅の電話番号を入力していたとは思い至らず 再度銀行まで出かけて確認して携帯番号に変更した ようやく一段落ついた また銀行がセキュリティーの強化といって策を弄したら もう記憶の残骸を寄せ集めるだけでは対処できない デジタル社会に生き延びるすべを持たない高齢者の一人になってゆく   銀行のATM ( 自動現金預入払出機 ) の前で カードを使えずたじろぐ老人がいる 暗証番号が思い出せない どこかにメモしていたはずなのに バッグの中をかき回すがヒットしない 行員がサポートして対応する 結果パスワードの変更を余儀なくされた   次回パスワードを入力した 拒否された またもパニクった 入力したのは以前のパスワードだった 変更したことを忘れていた そのメモは見当たらなかった 再度パスワードを変更した 認知度がだんだん落ちてくる 情けなさに泣きそうになる もう一人では用を足せなくなりそう この先の不安は募る一方だ   母の時代はハンコだった 認知症を患った母はハンコを大事にしまい込んで忘れた 印鑑の変更を毎度した 行員も優しく対応してくれた 亡くなった後十本ほどの三文判が出てきた   2020 年認知症患者は 602 万人(厚労省の推計) 65 歳以上の 16 ~ 17 %を占める 2060 年には 850 万人 四人に一人と推計される デジタル時代に生...

空虚なる一日

  いつか来る日を待つ   その日何かひとつする なんでもいい 本を一冊読み終える 庭に堆肥を入れる 映画を一本観る そして酒を呑む それでおしまい   その日何もできなかった さして計画があるわけでもない 気ままに過ごすだけのこと 読み散らかす本の山 ネットニュースを斜め読み テレビはニュースぐらい 日が暮れて酒がすすむ それでおしまい   その日を変えたいと思うこともある 散歩は風が強くて気が進まない 窓から日課にしてる人を眺めるだけ 朝起きて飯の他は机にかじりつく いつものルーチンを繰り返す 変えようという気分は霧散した いつものように酒を味わう それでおしまい   怠惰な時間が過ぎてゆく 昨日も今日もきっと明日も同じことの繰り返し 何かしなきゃって思った先から気力を失う そもそも何かをしなければならないこともない   怠惰な時間に感情も消沈する 昨日も今日もきっと明日も心動かすことはない 何も感じずにいつの間にか流されてゆく そもそもが刺激のない暮らしに求めることでもない   いつか来る日 いったい何をしたいのかさえわからなくなる いつか来る日 空虚なる一日を待つ身になるのはいつの日か いつか来る日 悲劇の前触れはすでに始まっているかもしれない   [2023 年 5 月 8 日書き下ろし。もしもそんな日が来るとしたら。悲劇はすでに始まっているかもしれない ]