己にもの申す

世の中に無頓着なのを 世捨てという

世の中に流されるのを ずぼらという

 

世の中への怒りを失うことを 骨抜きという

世の中への批判を欠くことを 追従という

 

世の中の動きにためらうことを 日和るという

世の中についていけぬことを 乗り遅れという

 

世の中の悲痛を見て見ぬふりすることを 卑怯という

世の中の悲歎に涙せぬことを 非情という

世の中の悲惨に抗うことを 闘争という

 

紛争の地から遠方の地にいて 想像力を働かせる

紛争の地から平穏な地にいて 無力感をいたぶる

 

動かぬいまに 疎ましさを感じた

怠惰な暮らしに 嫌気がさした

思考停止に 苛立ちを覚えた

 

筆を再び握るしか 無能な己を生かす術はない

筆で世に訴えるしか 無才な己を鼓舞する術はない

筆を己に向けるしか 無恥な世をさらす術はない

 

〔2022年3月20日書き下ろし。恥をさらしながら生きる術がここにある〕


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