俗物化したロシア正教の末路

ウクライナ東部ハルキウから西部リビウまで避難した

約千キロの旅程を各地の教会の避難シェルターを頼った

リビウまで150㎞東のポチャイウまでようやく辿り着いた

 

東スラブ民族最初の国家キーウ公国の下

11世紀頃に創設されたベチュールシク大修道院

モスクワ総主教庁(ロシア正教)の信者には信仰の中心

キーウ公国をロシアの祖とするプーチンには重要な大修道院

クライナの信者を守らず拒否し排除した

 

ロシア正教総主教キリル1世はプーチンを擁護する

キリル1世率いるロシア正教は政府の一機関 

「ロシア軍はロシアの人々のために平和を守っている」

「ロシアとウクライナは同じ信仰と聖者、希望と祈りを分かち合う一つの民衆」

「外国勢力が私たちの関係を引き裂こうとしている」

「悲劇的な紛争は第一にロシアを弱体化させるための地政学上の戦略になっている」

 

ポチャイウのベチュールシク大修道院の流れをくむ大修道院に支援を求めた

「避難民を収容する場所はない」と冷たくあしらわれた

司祭はロシア侵攻について言い放った

「ウクライナの人々は罪深い。戦争はその罪に対する報いだ」

「女子どもを殺害するプーチンこそ悪魔ではないのか」

「プーチンの過ちではない。神がお決めになったのだ」

「これまで馴染みのなかったプロテスタントの教会を含め他の教会は温かく迎えてくれた。

もう二度とロシア正教系の教会には行かない」

 

キリル1世はプーチンの統治を宗教的に支える

「神による統治」と称えた

プーチンは精神的な求心力を得て政教一体化を進める

「宗教と核の盾がロシアを強国にし、国内外での安全を保障する」

2014年から8年に及ぶウクライナ攻撃がいま裏目に出る

ウクライナの司教はキリル1世の号令に従い無慈悲な行動に出た

東部で戦死したウクライナ兵士への祈りを拒否した

反発が広がった

当時承認されていなかったキーウ総主教庁が支持され

コンスタンティノーブル全地総主教庁パルソロメロス1世は

17世紀からのロシア正教会のキーウ大主教の任命権を無効とした

2019年ウクライナ正教会が独立する

プーチンにとってはウクライナがNATOへの加盟と同じくらいの衝撃だった

戦時下ロシア正教教会内部にも非難や抗議も出てきている

 

市民の殺戮を奨励し神を語るキリル1世の残忍性が露わになった

己の欲望を神の思し召しとするキリル1世の俗物性にようやく気づいた

神を冒涜するキリル1世の非聖職者の言動にようやく醒めてきた

プーチンが偽りの神を演じた謀略はキリル1世と共に灰燼となる日は近い

 

〔2022年4月16日書き下ろし。政治と信仰の一体化の怖さを知る。『プーチンが心酔するロシアの怪僧』古川英治(文藝春秋2022年5月特別号)から抜粋引用する〕

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