契約と既得権
依託業務で相見積(あいみつもり)を取った
随意契約で数年間仕事をしてきた業者が落ちた
落札した業者との100万円の差額は大きい
サービスの質を勘案しても
委託先を変更せざるを得なかった
社会的信用が失墜しあらぬ噂が流れる
社員も抱えていてこのご時世ではきつい
破約になった業者は憤りを抑えられなかった
泣きつかれても覆(くつがえ)ることはなかった
事前に新規契約の説明もしていた
業務契約はシビアだ
依託する側も厳しい経営を強いられていた
相手側の事情を考慮すれば契約の判断が揺らぐ
公明正当な手続きをした上での契約解除だ
正式な契約手続きを踏んでいる以上クレームは無用だ
既得権を通そうとすると過去の経緯(いきさつ)の不透明さが勘ぐられる
経営改革は財政収支の明瞭さこそが唯一健全化を促す
民間では顔のつながりで随契を続けるところも少なくない
民間では足下を見て法外な見積をあげるところもある
儲けの一部はリベートで誰かに還元されるシステムだ
発覚して狼狽(うろた)えるのは上の指示で動いた者でしかない
不公平な談合は政財界でも日常茶飯事に起きている
曝(あば)かれて国も企業も表向きの見直しをかける
担当者を処分してご苦労さんの一言で一件落着
後はまた闇の中で甘い汁を吸う者たちが巣くう
お引き取り下さい
落ち着きはらって毅然と対処する態度に
経営者としてのあるべき姿を垣間見た
〔2022年5月14日書き下ろし。ロシアのウクライナ侵攻の影響は経済状況を厳しくし、コロナと併せては民間の企業経営を圧迫する。契約1本にしても蔑ろにはできない〕