奇想天外な試み

7月末『ワークショップのすすめ』の中から8編の詩を選び収録した

 

このテキストの活用を広めることのネックに朗読があった

その場で朗読することへの心理的な抵抗だった

読むことへの苦手意識もある

感情を移入する表現力も問われる

詩そのものの好き嫌いもある

 

そこで私が朗読し録音した

編集したDVDの映像には音声とともに詩文のテロップが流れる

このDVDを単位民児協の内部研修に活用してみたい

心理的負担を軽減するための導入として試してみよう

 

テキストを使ったファシリテーターの育成

そのねらいを達成するための実験的な試み

朗読DVDでの研修は前代未聞の取り組みだった

奇想天外な試みはすでにスイッチが押された

 

どのようにワークショップを進めていくのか

その疑似体験をする

最初に選んだ詩『背負い込んだ重さ』を会場に流した

その後グループでの話し合いが始まった

重たい詩ではあったがめげることなく笑い声も聞こえてきた

初対面にも関わらず1時間余ですでに旧知のように和んでいた

思ったままを素直に語ること

話を丁寧に聞いてもらえること

 

10分後各グループから発表をする

そこはグループのまとめではなく〈わたし〉の意見である

まとめると〈わたし〉の情緒感が失われる

〈わたし〉が詩や協議を通して何を感じたのか

〈わたし〉という存在が認められていく過程となる

否定されることなく共感をもって受容されてゆく

会場には和気藹々な雰囲気が広がっていった


時間が押してきた

おおよそのグループワークの方法や流れを学んだことにする

これからはファシリテーターとしてのスキル学習となる

残った詩編は7つ グループは6つ

函館の現状に合致しない詩を外した

ファシリテーターは6人しかできない

他のメンバーにはその動きから学んでほしいとお願いする

いかに協力するのかメンバーシップを学ぶことも重要だと伝えた

 

詩『きょうという日』からスタートする

ファシリテーターを突然指名されて戸惑う

そばについてアドバイスする

始まりの合図から詩編の指定

グループの進行役や発表者の指定

それから会場に詩の朗読が流れる

終わると話し合う時間の周知と開始を合図

終了時間を告げグループ発表者を指名

本来発表は全グループだが時間の関係で2つに割愛

これでお役御免となった

ご苦労様の拍手が贈られた


最初の戸惑いや失敗が周りにはとても重要な意味を持つ

この一連の過程を見ておかなければ学習にならない

自分が指名されることもなきにしもあらず

ドキドキしながら次のファシリテーターの指名を待つ

 

2回目『ほころびを繕うということ』

ファシリテーターとして流れは理解しても進行の言葉が出にくい

そばにいてあげた

3回目『求められて動く』

フォーローは不用となった

『人を育てる』『助かるわ』『この子らに』

 

あっという間に終わった

時刻は12時を少し回っていた

2時間半休憩も取らずに走った

与えられた課題に真摯に取り組み集中した

学び合うことの熱気をひたすら感じていた


午後からは4時間のプログラムが用意されていた

とんでもない研修に誘い出してしまった

肯定的な喜びに会場が包まれるとは予想だにしなかった

 

[2022年11月2日書き下ろし。函館研修の「レポート3」。「考えを言葉にするという空間をみんなで共有することで、言葉に深みが生まれ、思考も育まれました」(小平奈緒・朝日新聞「折々のことば」鷲田清一)。このプロセスを体験するプログラムは十分にその役目を担っていた]

このブログの人気の投稿

忌憚なく

袖のノイズ

予期せぬ変調