空気を乗せる新幹線

盛岡までは景色があった

青森までは夜と昼が交互に来た

青森までで乗客はほとんど降りる

青森からは貸切状態で空気を運ぶ

青函トンネルはひたすら闇を走る

海底を走っているという想像力が試される

知内でトンネル抜ける

ターミナルの新函館北斗駅まで囲いの内を走るだけ

北海道に来たという実感は? 

ない!

 

新函館北斗駅の周辺は閑散として農地が一帯に広がるだけ

周辺には飲食店もなく土産屋とラーメン屋がコンビニと同居する

キオスクは駅内にあるから入場券がなければ行けない

弁当一つ買うのも難しい

ホテルは快適だがレストランは日月休み

ホテルの窓下には観光バスが一台駐まっていた

台湾からの観光客が朝げのレストランに賑わいをもたらす

営業マンは函館市内よりレンタカーを動かしやすいここに陣取る

 

札幌までの北海道新幹線の延伸工事

札幌駅はすでにホームも増設された

周辺の再開発は急ピッチで進んでいる

その一方ニセコ羊蹄山の麓で固い岩盤に行く手を阻まれる

札幌五輪に合わせた開通の目論見は早くも難所を迎えた

少子化が進む中道内の人口減は加速度を増す

在来線をぶち切って採算度外視の工事は続く

 

厚い時刻表を片手に旅した時代は過去のものとなった

札幌までなら飛行機の方が需要は高い

観光客は無駄な時間をかけて移動するリスクは避ける

求める観光地にダイレクトに入る方が旅を満喫できる

果たしてトンネルばかりの新幹線に魅力はあるか

景色を味わう楽しみもない新幹線は廃れるしかないのか

 

決めたからやるだけの国家プロジェクトの大破綻

モグラの穴を開けるだけの突貫工事に中止は御法度

膨張する一方の予算は負の遺産として引き継ぐだけの大誤算

地上を走る速度を競う技術革新を求めた愚弄の産物

 

空気を運ぶだけの素敵なデザインの車両は

自然の風景に染まることなく闇をひた走る

 

[2023年3月3日書き下ろし。前途多難の北海道新幹線工事。未来は不透明] 

北海道新幹線、国交省が計画変更で道に意見照会

道は2日の道議会予算特別委員会で、2030年度末に開業が予定される北海道新幹線新函館北斗―札幌間の工事実施計画について、国土交通省から変更に向けた意見照会を受けたと明らかにした。現在の認可額1兆2386億円から2兆3159億円に変更するもので、道は同意する方向。照会は1日付。現行計画は12年に認可されたもので、主な変更内容は、昨年末に国交省の有識者会議が示した事業費増加分6445億円や、未申請だった電気などの設備工事費4328億円の追加。新八雲(仮称)、札幌の両駅の構造変更も盛り込む。新幹線の工事実施計画は、建設主体の鉄道・運輸機構の申請を受けた国交相が、事業費を負担する地元都道府県にも意見を聴いた上で認可する仕組み。工事費増額の場合も新たに申請が要る。(北海道新聞2023年3月2日)

 

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