原爆の日と説得力

 読むだけの原稿

文節の区切り方もおかしい

読み間違えぬよう細心の注意を払う

G7の成果を語りつつ本質を語らず

平和を訴えてもさして説得力もなし

政策ライターの原稿を読むだけの存在でしかない

国の指導者として自らの言葉で語れぬ不遜を恥じたい

市長は11月核兵器禁止条約第2回締約国会議へのオブザーバー参加を求めた

広島を飾りにする権力者の虚しき言葉が会場を包んだ

 

核による威嚇を行う為政者がいる現実に

核による威嚇を直ちに停止し

信頼関係に基づく安全保障体制の構築を求め

市長は核抑止論からの脱却を訴えた

「非暴力は人間に与えられた最大の武器」(マハトマ・ガンジー)

あらゆる暴力を否定する「平和文化」への取り組みを世界に訴えた

 

誰が責任を負うのか

誰も答えられない

こうなるとはと肩をすくめる

欧米人の得意のポーズがすぐ浮かぶ

県知事は説得力のある文章と聞き入る話術で惹きつける

さらに痛烈なアイロニーを浴びせかける

平和は勝ち取っていかなければならない

勇敢な被爆者たちの思いをつなげる

 

その決意を確かめるに値する式典

その決意が漲る日に言霊が響き合う式典

その決意を躊躇うことなく非核に動く式典

 

共感を生む説得力のある平和へのメッセージ

広島と長崎の悲劇と悲嘆は繰り返してはならない

核を脅しに使う卑劣な者たちを断じて許してはならない

ウクライナをはじめ紛争地の残虐と悲哀を想像する日となった

 

世界に訴える力強い行動を日本がリードするのはいつの日か

他人事のように毎年上書きされた薄っぺらい挨拶文

それを朗読するだけではとうていおぼつかない

政権を支えている者たちにこそ問い正したい

誰が責任を負うのかと

 

※核兵器禁止条約:核兵器を非人道兵器とし全面的に違法化した初の条約で、2021年発効。核廃絶を掲げ、開発、保有、使用や使用の威嚇を禁じる。核保有国や「核の傘」の下にある日本などは批准していない。22年の第1回締約国会議では、核抑止力に頼る北大西洋条約機構(NATO)に加盟するドイツなど4カ国がオブザーバー参加したが、日本は参加しなかった。今年11〜12月に第2回締約国会議を開く。

 

※一年に死亡が確認された広島の被爆者5320人を書き足した原爆死没者名簿を松井市長と遺族代表2人が原爆慰霊碑に奉納した。名簿は「氏名不詳者 多数」と記した1冊を含め125冊計33万9227人分となった。

 

[2023年8月6日書き下ろし。広島被爆78年。松井一実市長と湯崎英彦県知事の挨拶が心に残る。軍拡に動く政権に平和を訴える日でもある]

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