少年と少女の誇りと憧れ
少年と少女はこの夏祖父の功績を知った
祖父のことが少し理解できるようになっていた
幼かった二人は少しずつ大人になっていく
少年と少女には年に数回しか会えない祖父だった
少年は地下鉄が好きで一緒に乗ってくれた
ラーメンはすすきのまで食べに出かけた
南富良野のラベンダーも北竜町のひまわりも
祖父の車で家族と一緒に遠出した
二人にはただの好々爺だった
時々お坊さんに変身した
少年と少女はお坊さんの祖父と一緒にいた
特別養護老人ホームでのお盆法要だった
今年は少年は妹と一緒にお参りした
他の2つの施設にはネットで中継されている
仏間やホールにはたくさんの人がお参りに来ていた
7月祖父や祖母がコロナに罹ったときは心配だった
でも長い読経は心配なかった
お説教では孫がいることが大きな励みだと紹介された
二人は元気な祖父を見て笑った
仏間を出るときにみんながお礼をしていた
何か誇らしく感じながら照れくさかった
少年と少女は初めて祖父の仕事ぶりを知った
大きな施設をたくさんつくった
目の不自由な老人施設の中を案内してもらった
盲導犬にも恐る恐る初めて触れた
そこで働く人たちがみんな笑顔で迎えてくれた
仕事を辞めた後でもみんな慕っているのがよくわかる
こんなにすごいことをしてきた人なんだ
こころが動いて何だか嬉しくなった
少年と少女には祖父の功績の一端を知った夏になった
本当に理解するにはまだ時間がかかるだろう
でも二人には確固とした誇りが生まれた
孫であることが誇らしかった
少女は孫であることに幸せを感じた
少年には強い憧れが芽生えた
二人の成長は少し背伸びした先に生まれる
[2023年9月2日書き下ろし。師夫妻は二人の孫たちの成長に目を細める。その功績を知ることで今夏またひとつ成長する少年と少女。今日二人から感謝の手紙をいただいた]