脛に傷持つ身

悪事千里を走る

それでも庇うには理由(わけ)がある

同類相哀れむ

互いに脛に傷持つ身でしかない

 

悪態の限りを尽くす

それでも生かすには理由がある

無理が通れば道理が引っ込む

互いに我田引水するしかない

 

悪臭の元は明白だ

それでも絶てぬ理由がある

虎の威を借る狐を飼う

互いに損得勘定するしかない

 

悪徳は本意だ

それでも改めぬ理由がある

悪因悪果は受け入れぬ

互いに本性をむき出すしかない

 

悪弊が人を疎んじる

それでも続ける理由がある

寄らば大樹の陰となる

互いに快感を求めるしかない

 

悪政は世にはびこる

それでも滅びぬ理由がある

豚に真珠をあげたのは誰だ

互いに責をなすりあうしかない

 

悪意が善意を踏み潰す

それでも諦めぬ理由がある

蒔かぬ種は生えぬ

互いに情なく人でなしになるしかない


[2023年10月1日書き下ろし。世の中に心躍ることもなく、善意が小さな声をあげる]


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