技の探求

「職人は己が成長してしまったと感じたときが辞めるとき…

己の技の探求を続ければ生涯を懸けても足りない」(『塞王の楯』今村翔吾)

 

試される技法

ワークショップの流れに物語を創る

 

導入は問題意識と問題認識を刺激する

朗読された詩が心の琴線に触れていく

抗うことなく素直に受け止める

感性が研ぎ澄まされて情感に波動を送る

言葉が紡がれて身構えることなく発せられる

自己解放することで他者の言葉も感受する

自己認識された課題が少しずつ解かれていく

 

展開は課題の認知と解決への糸口を見出す

朗読された詩が問題の本質に迫る

個々の思いが共感的に受け止められる

情緒が揺さぶられて論理を求める

言葉は感情を抑制しつつ発せられる

自己覚醒することで糸口を見出す

自己変革の可能性を少しずつ気づいてゆく

 

展望は課題の確かめと解決への道筋を付ける

朗読された詩を離れよりよき方策を探る

個々の自由な発想がコミュニケーションを活性化する

うなずきから触発される肯定感情が支配する

狭い了見は放棄されて思索の海に漕ぎ出す

自己承認は裁量の度量で決定される

自己開発は静かに感動をもって知らされる

 

総括するラストシーンが始まった

ミニトークセッションの登壇者をランダムに指名する

ワークショップを個々がふりかえり発信する

ファシリテーターとの問答でさらに発言を深める

これからのあり方を思索しつつ決断を促す 

自己啓発と相互の承認が次への行動へと誘う 

自己理解と相互の理解が行動へのエネルギーを充填する

 

一度もこの物語を完結したことはない

詩を媒介にした試みはいまだ道半ばである

教育という人としてなる陶冶の営みは複雑多彩だ

技巧に流れれば情意を失い感動は希薄となる

技法の確立には己の教育論が問われる

技法とは人間主義に立脚した学び方の本質である

技法はやり方から生き方に変わらなければならない

学び人は求める自分と出会う喜びを確信するのだ

 

[2023年11月2日書き下ろし。40年近くワークショップの技法を実践してきた。いまだ学びの物語を綴れぬまま、詩を媒介にした技法の熟度に挑み、次のチャンスの準備をする]


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