お経の心地よさ
東日本大震災の犠牲者を悼む法要が各地で営まれた
マスコミはこぞって当事者へのインタビューを流す
たくさんの慰めと激励の言葉が入り乱れる
読経が海に向かって流れてゆく
ひたすら合掌して黙す
意味不明のお経に心落ち着かせる
手にした数珠に亡き人への思いを馳せる
多くの言葉よりもお経が優しい
まるでBGMの如く過去へと誘う
喜びと楽しさを分かち合った人へと向かわせる
13年目の哀しみと悲しみの深さを確かめる
お経の意味は全く理解できない
有り難いと思うことに不思議を覚える
合掌との組み合わせが絶妙だ
無信仰かつ無信心な心にも伝わる何かがある
人は祈る
いのちの尊さを生き残れし者たちが継ぐ
追悼の場に流れる読経にその覚悟を示す
人は祈らずにいられない
いのちを手渡す者として生きなければならない
追悼の刻の流れに背筋を伸ばし合掌する
[2024年3月12日書き下ろし。お経の意味はまるで分からない。それでも読経を聴きながら心穏やかにして合掌する。その一時が生死を考える刻(とき)でもある]