感性の崩壊
「私たち住んでいる外部環境が破壊されているだけではない。人間自身の内部でも、人間をとりまく創造物の美しさや偉大さをおそれる気持ちが破壊されている」(ノーベル生理学・医学賞受賞者コンラート・ローレンツ博士の警告『文明化した人間の八つの大罪』1973年思索社~『言葉の力、生きる力』柳田邦男・新潮社からの孫引き)
産業革命による経済の発展と成長は地球環境を破壊した
資本主義経済の飛躍は人と国家の欲望を駆り立てた
戦争による悪しき破壊と経済復興の歴史を繰り返す
民主主義制度も形骸化し理念も朽ち自国第一主義に陥る
そして独善的で悪意に満ちた指導者が闊歩する
経済の発展は環境への痛烈なダメージを与え続けた
二酸化炭素に覆われた地球は温暖化を加速する
自然の破壊は異常な気象現象を誘発し災害をもたらした
地球に生息する多くの生物は絶滅か危機に瀕する事態となった
そしていま70億人は水と食糧を求め飢餓地獄が生起する
快適な暮らしは経済格差から恩恵を被るのは一部でしかない
多くは時間を売る賃金労働者として身を粉にする
高等教育を受けてもその知識や技術は生成AIに乗っ取られる
自然を愛でる心も育つことはなくいつかすさんでゆく
そして貧民と老・病者は人間としての尊厳も棄てられてゆく
二度と取り戻せない環境破壊は続く
自然の美しさや偉大さを感じ畏怖することもない
自然からの恩恵を受けることすら失った
金儲けという呪縛から逃れられず自滅の道を歩む
心を壊した者たちが支配する地球は自壊の道を進む
次代に手渡す再生のためのエネルギーは枯渇するのか
感性を失った人間たちが生きる場もなく彷徨する
〔2024年6月2日書き下ろし。50年も前の言葉を噛みしめる。いったい人間はこの地上にどれだけ生きながらえるのか。人間の終末時計は止まることなく時を刻み続ける〕