PTAと学校の信用失墜

PTAは学校教育の下支え団体だった

教育設備が不整備な時代に大きな役割を果たした

ベルマーク収集活動にも積極的に協力した

貧しい昭和の時代に親は学校への協力を惜しまなかった

学校への信頼は高く教師も社会的地位も低くはなかった

 

教師らの組合活動にも理解を示した

みんな貧しくとも子どもを育てるまなざしは同じだった

教師の待遇改善はよい教育への改善だと思い込んだ

中には組合を盾にのさぼる教師もいたことはいた

PTAはそんな教師も呑みこんっで活動した

戦後から昭和40年代の古き時代だった

 

高度経済成長から潮の目は変わっていく

学校や教師への信頼は徐々に薄くなっていく

学力至上主義が横行し落ちこぼれを生んでいく

個人情報保護意識や親のエゴイズムが強くなっていく

PTA問題が表面化して任意加入も取り沙汰されてゆく

 

従来の学校とPTAの馴れ合いに待ったがかかった

PTAの役員選出のやり方から異議が出た

会費の使途のあり方に疑義が生じた

教育行政の偏向予算の執行に不満が生まれた

そもそも論でPTAの存続の可否が話題になった

 

親は義務教育は決して無償ではないと気づいた

教育費の家庭負担の増減が教育格差につながった

学校は学力向上を暗黙に塾へと依存するしかなかった

理念も授業論も薄っぺらな建前論がはびこった

増加する不登校やいじめなど子どもの心が悲鳴を上げた

責任回避をする学校を見限るのは早かった

現代的教育課題に取り組む時間も能力もすでに限界だった

教師のなり手不足の解消は待遇改善では無理だと知った

 

学校という閉塞した環境に教師は生息し続けた

PTAの役員は唯一その環境に触れる親たちだった

大事な理解者を学校は利用することしか頭になかった

学校はPTAを傘に思惑通り事を進めようとした

隠し事は小さな綻びから顕わにされ不信を呼び込んだ

親は社会教育団体という位置づけすら認識が薄かった

多くは自動的に加入して会費を払うだけだと思った

おかしいと声を上げる親に違和感と反発を抱いた

ようやくPTAは学校の下請けではないと理解し始めた

 

全国各地でPTAの改革を求める声が上がった

一部の地域では足下の活動に目が向けられた

当たり前が当たり前ではないという事実に気づいた

機能不全を起こし面白みもない活動を問い始めた

PTAも教師も一緒に汗をかこうという協働性が欠落していた

 

魅力がなにもない

活気がわかない

効果が見えない

徒労だけが溜まる

そして陰口を叩かれる

だれもPTAの役員にはなりたくない空気が生まれた

ましてや会員にもなりたくない空気は広く伝播した

 

学校を支えてきた親たちが離反する

教師への信頼を失った親たちが我が子を守る

親同士の関係もままならない社会が形成される

子どもが健やかに育つ環境作りが減退してゆく

多様な価値観を包含する学校とPTAの関係のあり方が問われる

 

PTAの魅力とはなにか

教師を育て親を育てる場と機会の創造がここにある

その価値に気づかぬ限り利害関係だけが一人歩きする

 

〔2024年6月9日書き下ろし。PTAの現状を少し整理する。親と教師の会を魅力ある組織と活動にするためにも、その意義を確認したい〕


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