ピカピカの泥団子

幼子は毎日泥でつくったお団子を磨きました

ある日手に取りその出来映えに見とれていました

ふいに落としてしまいました

お団子は見事に割れてしまいまいした

 

保育士が声をかけました

毎日磨いている様子を見ていた保育士でした

幼子はとても悲しい声を出しました

「落としちゃったの」

「とっても大事なお団子さんだったね」

「ピカピカになって喜んでいたよ」

「そうだね」

「でも落として壊れてしまったの」

「もう元にはもどれないね」

「泥の団子だけど何だかとっても悲しいの」

「どうしてかな?」

「ピカピカになってねって毎日磨いたから」

「そうだね。こころを込めていたんだね」

「こころって?」

「泥のお団子でも大事なものだったでしょ」

「うん」

「大事にしているぬいぐるみをいたずらされたら嫌だよね」

「ダメって怒っちゃう!」

「大事なものだからまもりたいよね」

「うん。でもお団子さんは守れなかった」

「それをなくしたときってとっても悲しくなるの」

「こころをこめたから悲しくなるんだね」

「どんなものにもこころを込めると離せなくなるんだね」

「見ているだけでなんだか嬉しくなっちゃうから」

「でも壊れてしまったり汚してしまったりなくしてしまうこともあるよね」

「悲しくなるし嫌だ!」

「壊れてしまったけれどお団子さんはとても大切なことを教えてくれたよ」

「こころがあるものは大切にしなさい」

「すごい。その通り!」

「お団子さんはまた作れるけど、こころを込めることが大事なんだね」

「大事なものをなくしたときには必ずこころが大きく育っていくんだよ」

「こころが大きくなるっていいな」

「それじゃまた一緒に作ろうか」

「うん」

幼子に笑顔が戻った瞬間でした

 

〔2024年8月4日書き下ろし。保育のベテランから宿題を渡された。果たしてこの回答で納得させられるのか、不安〕

 


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