ほめる
園児が二人 砂場で遊んでいた
保育士が 通りかかった
目ざとく見つけた 一人の園児
「先生 これ見て」
手のひらのものを 差し出す
「あら 上手に出来たわね」
その子は その後 同じものを たくさん作った
別の保育士が 通りかかった
もう一人の園児が 遠慮深そうに 手のひらのものを 差し出した
彼女は 匂いをかぐように 鼻を寄せ
「おいしそうな匂い なんの果物かな?」
その子は その後 これはリンゴ これはモモ これはメロンと
様々な 果物を 作っていった
カタチは よく似た果物だった
ほめるということ
子どもの 感応力を刺激し そばに寄り添い 一緒に楽しむこと
ほめるということ
子どもの 想像力と創作意欲 根気強く取り組む力を 引き出すこと
ほめるということ
子どもが 取り組む姿と その意欲や態度を 認め励ましてあげること
ほめるということ
子どもの 上手い下手とか 誰かと比べるとか そんな不安をとっぱらって
自由に表現する 手助けをしてあげること
ほめるということ
子どもが 自分を誇らしく思うよう“育つ”ために おとなは真剣に自分と向き合うこと
できない できていない
それは
おとなが “ほめる”ということを ほんとは知らないだけなんだ
おとなが 子どもの感応力を もう感じられなくなっただけなんだ
そんな御託を並べることより 結果をほめれば 子どもは育つんだよ
その思い違いが 子どもの感応力を 見事に台無しにしていく
(2019年8月1日書き下ろし。五年前の作品。幼児教育に関わる詩作の中で過去の詩を今一度見つめ直す。ほめ方の下手な大人たちへのメッセージ)