花泥棒
街角の小さな花壇
札幌発寒を開拓した屯田兵宅の石碑が立つ
手入れに来た女性二人が呆れていた
2株が根元から掘られて盗まれた
残った2株が寂しげに咲いていた
花泥棒
どうぞ枯らさず咲かせておくれ
枯れた心に一時の癒やしを与えるだろう
花泥棒
どうぞ愛でながら水をあげておくれ
出来心に一時の苦渋を味わうだろう
花泥棒
どうぞ惹かれた花を独り占めにしておくれ
盗み心が一時であることを祈るだろう
花泥棒
どうぞ悔いながら観ておくれ
罪深い心に一時の許しを求めるだろう
花泥棒
どうぞ思う存分泣いておくれ
すさんだ心が一時でも晴れただろう
花泥棒
どうぞ心あるならば花壇に返しておくれ
孤独な心が一時でも仕合わせを感じただろう
花泥棒
どうぞ人生の汚点はこれだけにしておくれ
改心した心がきっときみを救うことだろう
[2024年9月7日書き下ろし。今朝発寒にあるこども園の運動会を見に行く。信号で立ち止まった足元の花壇。花泥棒の痕跡にため息をつく二人に出会った]