失うということ
いま手にあるのは何だろうか
時間は未定であるがいずれ失う
時間はいつか過去を語り出す
時間は後悔を刻んでいまだある
時間は誰かに切り取られていく
モノはいずれカタチを失う
モノはいつか価値をなくす
モノは愛着を生ずれば手元に置く
モノは誰かに捨てられていく
ひとはいずれ若さを失う
ひとはいつか老いを受け入れる
ひとは身も財も削って普段を装う
ひとは建前を捨て素の己と向き合う
おもいはいずれ熱を失う
情熱もいつか冷めて齢を重ねる
情愛も変化することを容認する
欲望はカタチを変えて生を支える
業績はいずれ忘れ去れる
何を為したのかいつか埋もれる
実績も評価も記録しか残らない
見返されることもなく処分される
失い捨てる
果たして残るのは何か
凝縮された人生に見出すしかない
果たして戸惑いはないのか
納得できる心境には至らない
果たして幸せだったのか
そう思えるだけで十分だ
〔2025年1月5日書き下ろし。失うということ、捨てるということ。人生は得たモノがあれば捨てることも多い〕