迷い込む

 昔話を読み聞かせる

保育園の園児たち

生活発表会を見せてもらった

直接ふれ合ったことはない

「こぶとり爺さん」を用意した

話せばすぐに終わってしまう

 

みっともないこぶを持つだけの共感性

根明か根暗の個性の違いでの蔑視感

芸達者かお粗末かの違いでの屈辱感

それが善悪の価値観で語られる不快感

深掘りするには幼すぎるか

 

面白おかしく脚色しても反応が怖い

話の筋が見えねばつまらない

山場のもっていきかたもひと工夫がいるだろう

だんだん不安が高じてきて困ったもんだ

こんな面持ちではきっと待たない

 

幼子は素直で正直だ

おもしければのってくる

つまらなければそっぽ向く

「こぶとり爺さん」よりも

自分の中で育つ不安のこぶが気がかりだ

期日は迫ってきた

とっておきの「かぐや姫は宇宙人」を用意しておこう

そう決めて今日はお開き

 

いやいや昔話のテレビを思い出した

まず二人の役者の語りのうまさに惚れ惚れした

いやいやそんな風にはしゃべられない

まずもって独り芝居じゃできっこない

いやいや絵本を見せても小さすぎるか

まずは当たって砕けろでは幼子に失礼だ

いやいや蓋を開けるしかいまはない

まずは出会ってから判断しようと小さく決めた

 

〔2025年3月8日書き下ろし。次の心配事は、概ね初対面の子らとの読み聞かせ。チャレンジ精神だけでは事はならず〕

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