こども園の1ヶ月
こども園は新年度を迎えた
入園式での不安げな子らの表情が心に刺さる
不思議な空気に包まれた緊張感が表情に漂う
明日から母から離されることへの察知か
保育が始まった
乳飲み子も母との別れに激しく泣く
釣られたように泣き声の合唱が起こる
保育士の胸であやされても泣き止まぬ
乳を求めても求められないことを知る
ようやく慣れ始めた1ヶ月が過ぎた
母の辛さも不安も少しずつ慣らされてゆく
新人たちも戸惑いながら懸命にお世話し心に汗をかく
園の集いで子どもらを前にお話する新人がいた
園長は諭した
子どもの真剣なまなざしに誠意を持って応えなさい
誤魔化しやまやかしそして慣れは言葉が冷えてしまいます
緊張するのは子どもに向き合う自分を偽らないからです
何十年と保育に携わっても話すときの緊張感は変わりません
最初に味わうこの緊張感が鈍らぬよう緩まぬように心しなさい
失敗を恐れることなくトライする気持ちを大事にしてね
話し終えた新人はホッとした顔を見せた
あなたの言葉でしっかりと伝えられたわね
真剣なまなざしをしっかり受け止められたことが一番ね
言葉がぬくもりを持つことを学んだ瞬間を諭した
経験はこれから積んでいくしかない
この世界で求めれば求めるほど身についていくだろう
子どものまなざしから眼をそらさぬよう励んでごらん
あなたの熱意が眼に宿っている限り子どもは慕ってくる
あなたの言葉に噓がない限り子どもは信じて付いてくる
あなたの行いに思いやりこもっている限り子どもは身を預ける
連休明けがまた一騒動だろう
保育1年生は幼子とともに成長をする
〔2025年5月5日書き下ろし。少子化の影響は保育の現場にもすでに及んでいる。閉園したところも出ている。私立が保育を支える。経営努力にも一層努めなければならない。新人が離職することなく成長する職場環境作りも重要か。こども園の園長先生との談話から切実な現場を知る〕
※子どもの数がまた減った。総務省によると4月1日現在の15歳未満の人口は推計で1366万人だった。前年より35万人少なく、44年連続の減少だ。12〜14歳が314万人なのに対し、0〜2歳は222万人で3割も少ない。少子化の加速ぶりが鮮明である。(日経2025/05/04社説抜粋)