献身を装う
散華した若き命をおもう
内地防衛の盾となり
国家安寧の礎となり
献身を強いられた若者たち
戦死者は美化された御霊となる
生き残った戦犯たちは物語を作る
戦争を否定し平和を希求する偽善者となる
献身を美談化された若者たち
世界中が戦争に巻き込まれてゆく
領土拡張を目的に侵略を正当化する
理不尽な国家戦略で停戦を拒み侵攻する
献身を求められる若者たち
世界は正義も倫理も棄てられ悪意が満ちる
欲望と傲慢さが経済力と武力で支配する
恐喝と暴力が堂々とまかり通る
献身は支配者の手で操られる若者たち
手駒でしかない若き戦士たちが屍を晒す
殺されに行くのに名誉の戦死などあり得ぬ
憎しみと恐怖で追い詰められて殺される
献身という名の無駄死をする若者たち
逃げ場のない国という名の暴力は続く
防衛という装いで戦争を肯定する
支配者と片棒を担ぐ者たちは胡座をかく
献身させられ明日を奪われた若者たち
誰も勝利者にはなれぬ戦禍を楽しむ
戦争ゲームの醍醐味を堪能する
戦果を誇り英雄気取りに憤怒する
献身の欺瞞を見抜く若者
※献身(けんしん)自分の身をささげて尽くすこと。ある物事や人のために,自分を犠牲にして力を尽くすこと。
〔2025年6月30日書き下ろし。和平交渉は遅々として進まぬ。優位な合意を得るための
戦いは続く。そして敗戦80年の夏は来た〕