さみしがり屋
灼熱を浴びた陽照った身体が気だるい
寝付かれぬ熱帯夜に扇風機が回る
暗闇を凝視する時間がうざったい
独り寝の心の隙間に吹く風は寂し過ぎる
大人はみなさみしがり屋だ
いい年をしていまさらなにをか言わん
電話してもすぐに話が途切れる
過去を引っ張り出しても虚しさがつのる
何の変哲もない暮らしに息が詰まる
なぜか寂しさだけが首をもたげる
大人はみなさみしがり屋だ
いい年だからいまさらなにも言えん
若さとは有り余る時間があることか
何もかも未知なるゆえの無謀を許す
取り戻せるチャンスは無限と錯覚した
限りあるいまを寂しげに費やす
大人はみなさみしがり屋だ
いい年になった自覚としか言えん
せめて好奇心が刺激されればと欲する
心が躍るときめきを感じたいと欲する
憧れはすでについえてしまったのか
夢想することも寂しさに隠れる
大人はみなさみしがり屋だ
いい年に抗い続けると言っておこう
〔2025年7月31日書き下ろし。年とともに寂しさは心の隙間に居着くのか〕