教室の窓辺に
朝の教室に小さな声がする
「先生、昨日の話覚えてる?」
その声に思考が揺れる
互いに学び合う瞬間がここにある
内気なこの子の発言を取り上げた
黒板にそのまま板書した
声は文字となって残った
授業に参加した証となった
小さな声は打ち消された
先生の耳には届かなかった
あきらめはこの子に沈黙を強いた
お客さんという存在になった
担任が替わった
この子は黙っていただけだった
顔を上げて指されるのを待った
小さな声だったが答えた
情感を読み取った言葉だった
テーマに迫った発表だった
クラスメートーとも驚いた
黒板に言葉が躍った
教室の窓辺に座っていた
ほんのりとした佇まいだった
横顔に朝の陽が輝いていた
ようやく殻を破り始めた
ここは私がいる場所だと知った
ここに私がいても大丈夫だと知った
ここが私の学びの場になると知った
ここで私はわたしになれると知った
〔2025年11月5日書き下ろし。教室は誰が主人公なのか?〕