ピアニストの小指

疲労骨折寸前だった

4日のコンサートを乗り切った

小指の痛みは尋常ではなかった

整形に行った

幸い折れたはいなかった

 

練習に明け暮れ正月も返上した

ピアニストは肉体を駆使する

全身全霊で鍵盤を弾く

いや叩く

鍛えても小指のダメージは大きかった

 

過度の練習が小指を苛(さい)めた

キタラの小ホールは満席だった

88歳のチェロリストが挑むステージ

伴奏はきっと必死だったろう

アンコールのかかる中最後の曲を弾き終えた

 

3日後ドクターは過度の練習による炎症と診断した

過去に両肩も手術した

だからこの程度で済んだことに安堵する

当分練習はストップする

しばらくコンサートの予定はない

まずはゆっくり養生するといい

 

妻から聞いてなぜか娘が誇らしかった

プロはプロとしての矜持を貫く覚悟がいると

 

〔2026年1月7日書き下ろし。早い回復を願うことしかできない〕


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