面談する

眼科の定診を終え待ち合わせの病院に行く

待合で待つと親子連れが来た

親友の妻と次女

次女とは初対面だった

出た大学の指導教官が友人だった

気宇な縁を感じた

 

病院のコーディネーターと別室に入る

友の転院の面談だった

地元でも透析患者の療養型の病院はある

ただコロナ以降感染症防止のためにガードがきつい

面会は月二回パテーション越しだ

死ぬまで手を握ることさえ叶わない

いまの病院からは治療のすべなく退院を求められている

 

次女の住む札幌の病院を紹介された

転院の是非について判断しなければならない

面談は1時間半を超えた

子細に渡って質問し説明を受けた

特に大病を患ってきた友には配慮すべきことも多かった

対応できないことも正直に説明していた

ドクターは家族や本人の意向を必ず聞いて対処する

この点も重要なポイントだった

 

妻が懸念していた面会に心の緊張が解けた

午後2時から6時まで毎日4時間一緒にいられる

規制は感染症が流行した場合は否応なしだ

透析が午後の場合は難しいことも理解できる

いままでたった30分しかなかった

妻は涙を流しながら安堵した

夫のそばにいたいと強く念じていた

遠方からは月に数度しか来られない

それでも英断したおもいの根っこが面会だった

ようやく肩の力が抜けたように思えた

 

面談後院内を案内された

透析の階は8割方ベッドで処置を受けていた

50床に満たない病室の階もコンパクトで清潔だった

スタッフは仕事中でも目が合うと必ず目礼をした

2階は検査室が並ぶ

レントゲン室から出る廊下の正面に可愛い絵柄の案合図があった

エレベータはと矢印で示されていた

認知症への対応だろうか

1階は診察室と事務室だった

 

札幌市内でも小規模の病院だった

スタッフの数は充足されていた

スタッフとの距離感が近そうだった

患者や家族にとってはアットホームな環境に思えた

 

いまは空きベッドはない

待機となる

転院の希望は家族で話って後日連絡をと別れる

妻は娘たちと話し合うだろう

心労の限界に来ていただけに共倒れは避けたい

 

いまの仕事を卒業するタイミングと重なった

有り難い引き合わせだと感謝した

地下鉄一本で通える病院だ

彼を看取ることになるかも知れない

次女の自宅まで二人を送り帰宅した

 

夜中JRで帰宅した妻からメールが届いた

最近一人になると泪が止まらないで困るという

明日夫に報告しますね

感謝の言葉と転院後の夫のことを委ねてきた

 

まずは無事転院できる日を待とう

その日はきっと遠くないだろう

 

〔2026年3月7日書き下ろし。友の現状が大きく動いた〕

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