冥土への置き土産

神をも畏れなかった

この世の栄華を弄んだ

血の継承に心血を注ぐ

 

先は長くないと知った

高齢は全てを失う

死期は決して遠くない

死を恐れて焦りが生まれた

 

名声と誇りが頼みの綱だった

持てる力を振るった

あらゆるものに名を冠した

 

権勢を誇示するのに躍起になった

個人の醜い欲望が顕わにされた

世は嘲笑と軽蔑に染まりだした

 

歴史的な評価を畏れた

生存中は誰も逆らわない羊だった

恫喝と恐怖の支配は終焉を迎える

 

踏み外した道は揺り戻し起こる

誇りと寛容を取り戻さねばならぬ

冥土への置き土産は風化する

 

名声は汚名に塗れて捨てられる

実績は弾劾に晒されて善に雪辱される

冥土への置き土産は屈辱と恥辱だった

 

残されたのは拒絶と嫌悪感だった

反旗を翻したのは抑圧からの解放の風だった

冥土への置き土産は健全な社会創造への勇気だった

 

〔2026年6月7日書き下ろし。かなり現代政治へのアイロニー〕

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