竹べら
高校時代受験勉強もそっちのけに
遺跡の発掘調査に参加した
現場近くの寺に1週間泊まり込む
竹べらで表土を薄く剥がす
何かに当たった感触があると心躍る
土器なのか石器なのかただの石なのか
縄文時代の暮らしの様子をほじくり返す
人生は失敗の繰り返しだ
成功はほんのアクセントに過ぎない
やりたいことの多くは挫折する
やれないことの多くは頓挫する
そんな過去をほじくり返す
なぜか竹べらの感触を求めている
失敗から這い上がる精気なのか
失敗の中に見た成功への足がかりか
書いた資料をほじくり返す
ChatGPTは力強いサポーターとなる
プレゼンするのに必要な文書を要約する
100ページに及ぶChatGPTの文書を手にする
そこからテーマに沿った物語を組み立てる
なぜか竹べらの感触を求める
必須なキーワードや文書を探り書き出す
課題の抽出や解決の糸口を見つける
パワーポイントに構成する醍醐味を知る
AIは道具であり判断はわたしなのだ
ほじくり返しほじくり出す
わたしという人間の存在
わたしという人間の思索
わたしという人間の出会いと別れ
そして生きるに値するかわたしの人生
そっと竹べらの感触を愉しむ
〔2026年6月21日書き下ろし。竹べらはセンサーになった〕