存在の名残

愛しき子の染みこんだ匂い

会いがたき子の幼き日を確かめる

喪失感に包まれる存在の名残ひとつ

 

愛しき子の涙溢れる一枚

忘れがたき子の面影を求める

悔悟に苛まれる存在の名残ひとつ

 

愛しき子の柔らかき抱き心地

触れがたき子に手は空に差し出す

温もりを感じたい存在の名残ひとつ

 

愛しき子の想い出の上書き

成長しがたき子の時は止まる

着ていた服にも存在の名残ひとつ

 

愛しき子の書いた拙い似顔絵  

声聞きがたき子の家族の笑顔溢れる

仕合わせの中にいた存在の名残ひとつ

 

愛しき子の無垢なる仕草

理解しがたき子の言葉に揺れる

パパママと聞こえし存在の名残ひとつ

 

愛しき子との短い出会い

別れがたき子にさよならを告げる

来世で待っててと存在の名残深く

 

〔2026年6月27日書き下ろし。幼子の早死を悼む〕

 

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