子らよおやすみ

園庭で100発の打ち上げ花火が次々と上がった

音響と白煙の中子らのテンションが一気に高まる

立ち上がり拳を振りあげ黄色い声が上がる

一番のハイライトに心を躍らせたことだろう

時間は19時をさしていた

 

ホールではキャンドルの準備中だった

暗幕を閉めて暗さを演出する

水に浮かべた蝋燭に阪神淡路大震災の追悼を思い出す

子らが入ってきて園長を待つ

手にした灯火を子らに分ける

静かな儀式が終わりゲームをして〆の歌になる

『今日の日はさようなら』を合唱する

声を張り上げることもなく美しい合唱だった

歌の指導にも先生の力量が試される

みんなで歌う美しさをこれからも学び続けてほしいと

 

クラスに戻り就寝の準備に入る

パンツ一枚になって可愛いパジャマ姿になっていく

パジャマ忘れたと訴えてきたキミ

自分のバッグを確かめてごらんと見守る

ようやくパジャマ姿になったらまた来た

歯ブラシ忘れた

もう一度バッグの中探してごらん

気を取られていたらキミはもう来なかった

見つけたのかな

 

おしっこも終えて待機した

老体は少しお疲れ気味

でもエネルギッシュな子らはお構いなし

遊ばされながら子らとの自由な交流を味わう

それでは行きますか!

一斉に寝具を持ってホールに向かう

ひとり布団を抱えながら苦戦する

そばによって手助けする

縛ってくれば持ちやすかったのにと思いながら

子はめげずに持ち運ぼう

ホールでは自由に自分の居場所を決めていた

その子は一番後ろの隅に陣取った

わたし寝相が悪いからというのが理由だ

その謙虚さにうなづいた

 

多動症の子は布団の敷かれた間を愉しそうに走る

追いかけっこに先生を誘う

捕まっては自分の布団に戻り隙を見て逃げる

機敏な動作に圧倒されながら疲れを待つしかないk

先生との競争は寝付くまで続いたことだろう

記念写真を撮った

一緒に入ったら子らがなつくように寄って来た

心の距離が縮まっていく瞬間をここでも味わう

 

一斉に布団に戻ると担任の先生がまた集めた

『お泊まり会』という絵本を読み聞かせる

聴き入る子らの真剣な表情にスマホのカメラを押した

読み終えてようやく就寝時間を迎えた

電気が消されて暗闇が広がる

足元を照らすランプが数個灯された

疲れた身体がすぐに眠りの世界に誘うことを願った

興奮した状態ではきっと叶わぬことだと知りつつも

先生方のご苦労をつとに知らされた日になった

「おやすみ」

「どんな夢を見るのかな」

 

ホールを出ると玄関の解錠をするというので

園長や副園長に挨拶もせずに園を後にした

無礼を承知で帰路にハンドルを向けた

疲れた身体と裏腹に保育の世界に魅了されていた

来週は七夕祭りを見に行こう

子らとの再会が元気回復のバロメーターとなる

 

〔2026年7月6日書き下ろし。お泊まり会レポート2。翌朝元気に起床したとのこと〕

 

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