追い風と向かい風
何度向かい風が吹いたろうか
そのたびに心折られた苦渋を舐めた
時には潰瘍性胃炎でワカメのような血を吐いた
尿管結石で激痛に身もだえした
原因不明の突発性の痛みは鎮痛薬も効かず一晩病み続けた
翌朝検査入院の告知を前に向かい風に逆らい職場に復帰した
人事で二度も上司の意に逆らい飛ばされた
出世のレールは外され周りは怪訝に思った
為すべき事があると信念で周りを巻き込んだ
向かい風は逆に追い風となり後押しした
ボランティアの普及啓発が全てだった
実践も運動もそして理論武装もした
共感し賛同する仲間が集った
ボランティア元年も追い風になった
為すべき事を為す
向かい風が吹こうと仲間がいた
社会変革には微力でも為さねばならない
10年経ったら少し暮らしやすくなったでいい
職種を変えながらも幸運に恵まれた
校長の器でないと覚り離職した
招かれた大学で突如向かい風が吹いた
時代の要請に早すぎた改革が災いした
ボランティア学習と福祉教育の世界が残った
非常勤講師を続けながら実践と理論の構築に費やした
追い風にはならなくとも学生の意識変革に努めた
公開授業は誰も真似できない独壇場だった
詩を書き始めて長文とさよならした
散文詩はいかに真意を伝えるかに苦慮した
詩の解釈は読み手の自由意思に委ねた
詩を使ったワークショップを開発し追い風も吹いた
いまは穏やかに風が吹く
現実に抗うと向かい風を呼んだ
おもいに共感し協働すると追い風が友となった
いまは幼子の世界に遊び穏やかな風に紛れる
〔2026年7月9日書き下ろし。どんな風を浴びていまあるのだろうか〕