なにげなく

名もなきものへのさりげない愛着

匂い立つこともなきものへの憂い

気色ばむこともなきことへの安寧

なさぬことへの言い繕いもなき怠惰

着飾ることもなきことへの普通

なにげなさに残る人への気遣いか

 

世情に疎しいゆえの平穏

理(ことわり)を説かずとも泰然

問いを失うことなく黙然

呑むことを憚らぬ嗜み

浮世の様への諧謔

なにげなさに残る世への気まぐれか

 

慎ましさを求める願意

苦節に刻んだ老いし身心(みごころ)

酒肴に拘らぬ酔い心地の甘美

さも覚ったかのような煩悩

鴨南蛮の蕎麦に目がない食い意地

なにげなさを装う本意への気の戯れか

 

なにげなさはこころのおもむき

なにげなさはこころのやわらかさ

なにげなさはこころのやすらぎ

いまだこころの惑いに揺れる

 

〔2026年9月20日書き下ろし。喜寿を迎えた男の心情を綴る〕

An English version of my Poem in “kokorookinaku2.blogspot.com”

詩集は、“kokorookinaku3.blogspot.com”


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