小さな傷
朝転んだのか
左手の手のひらに傷を作った
サビオが目に入った
10数人の2歳が市内の公園で遊ぶ
ボランコや滑り台がメインだ
30分遊び回った
サビオの女の子はたくましかった
滑り台にたどりつくまでにロープの網がある
編み目を上手に渡らなければ落ちる
もがくと靴が脱げてしまう
面白がって落ちては笑う
靴を拾い上げて履かす
次また落ちる
列は長くなる
女の子が渡って来た
長靴をはいていた
晴れ渡っていたが予報は午後から雨だった
渡り終えて手を取った
サビオは粘着力を失いぶら下がる
滑り台で降りるとふっつけようとした
制して外させた
傷があるにもかかわらず雲梯もこなした
鉄製の枠組みとすれるだけでも痛いはずだ
痛みを声に発することなく没頭する
何度もロープの網渡りを繰り返す
長靴も脱げることはなかった
園児たちは初めての環境と遊具に臆することなく動く
綱渡りも靴が脱げてもみんな渡り始めた
好きな遊具にすぐ取りかかりクリアする
まさに遊びが子らを夢中にさせた
どうすれば遊びやすいか学び始めた
ただ見ているだけでもほっこりとほころぶ
遊び終えて集合した
女の子の手のひらをハンカチで拭(ぬぐ)った
そこには傷の周りの皮がむくれていた
痛いとも言わず平然としていた
9月初めの運動会では母に甘えていた子だった
実は強い子だったのだ
〔2026年9月25日書き下ろし。24日にこりんこども園の2歳児らに付き添った。公園での遊具で遊ぶ子らのサビオの子に注視した〕