フランスの高校生のデモ

教師が足りない

教室が暑い

校舎が汚い

 

高校生が不満を訴えた

フランス各地に波及した

6日連帯を示す大規模な抗議集会が各地でなされた

25万人を超えたという

公正に教育を受ける権利を訴えた

 

高校生たちの不満を政治が飲み込んでいくのか

正当なデモとして市民は賛同し支援に動くのか

過激な行動に出れば強制的な排除も起こりえる

ただ政治のあり方を問うことの意義は大きい

 

日本では18歳から選挙権がある

名ばかりの政治参加権だ

政治的な活動にも規制がかかる

教育は中立を建て前に政治を遠ざける

思想信条など育てる土壌も痩せている

学力至上主義がいまだ主流だ

高校は有名大学の進学を競い合う

学校の評判も教師の指導力に期待される

人間としての資質を鍛える場の問いは希薄か

 

70年の安保闘争は大学生だけではなかった

背伸びした高校生も政治的な影響を受けた

団塊の世代と呼ばれる者たちだ

多くは高度経済成長に飲み込まれ企業戦士となった

介護保険制度は50代の油の乗った時に導入された

たくさんの税金を払い高齢者を支えた

後期高齢者の層を成す世代となり支え手は激減する

政治的な運動に参画することなく余生を送る

 

日本の高校には教育環境の劣悪な状況は少ない

授業料の無償化は私立へとシフトする

親に資産があればよりいい環境で教育を享受できる

経済的格差は貧困な家庭を教育格差に陥れる

不満や不平の口は閉じられデモなどあり得ない

拍車のかかった政治の貧困は不信と軽信を促す

現状に妥協しさらには無関心が蔓延する

 

団塊の世代の政治的な日和見は否定しない

過激な闘争の果ての惨敗と挫折は一部でしかなかった

ただ高校時代に政治への関心と駆り立てられた行動は否定しない

政治への関心と批判は常に世の中を知るバロメータとなったからだ

 

現実を直視し判断する力を身につけねばならない

フランスの25万人の高校生のデモのうねりを感じてほしい

世界の同世代の若者たちへの共感を失ってはならない

決して特別な事ではない

いま彼らの教育権を守る闘争から目を背けないでほしい

学校では学び得ない社会力を身につけてほしいと願う

 

数十年前フランスの中学校を訪問した

移民の子が自分たちで絵本をつくった

難しいフランス語の文法をそこで学んでいた

その絵本をマチの幼稚園で読み聞かせしているという

手元にある絵本を見ながらふとその子らに思いを馳せた

 

〔2026年10月8日書き下ろし。世界の同世代の若者とどう関わるのか。関心を抱き続けることしかない〕

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